2012年12月18日

2012年 衆議院選挙の結果を受けて

冬の陣が終われば夏の陣が来るわけで。

「衆議院選挙では与党に入れたけれど勝たせ過ぎもねえ・・・参議院では野党に入れるか」
なんていう参院選マインドが働く参院選挙は、なんでも反対党のサンクチュアリ。
民主党政権が誕生するはるか以前の前安部政権時代から、捻じれを生む参院こそが民主党の本丸であった。

つまり来年夏の参院選挙こそが、政権交代劇のクライマックス。
日本の今後の鍵を握るのが夏の参院選。
その選挙の鍵を握るのは民主党の成長。

その民主党の鍵を握るのは、この期に及んで政調会長が
細野「自民が特例国債を人質に取り、解散を要求したのは残念です」
などというマニフェスト違反を棚に上げてジミンガーお花畑を展開しての逆切れ発言してしまう民主党マインドからの脱却。

『一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移 財務省』
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/003.htm

「無駄使い削減と埋蔵金で減税するぜ」と主張して先の衆院選で勝っておきながら、
予算も国債発行額も増やした上で増税したのだから、
「特例国債は仕方が無いから通すとして、解散して選挙やりなおすべき」という自民の解散要求は至極まっとうだ。

何しろリーマンショック下の麻生政権よりも酷いし、震災前の鳩山政権からこのざまなのだから、
ジミンガーもシンサイガーも通用する余地が無い。
敗北原因を直視できない現状のままでは本丸炎上は必定。

まず現状として、先の参院選で民主は自民に負けている。
参院は半数改選なので、民主は参院で第一党を保ってはいるが、それも来年夏に改選が来る。
『第三極』なんて言われたが、一極であった民主の衆院議席数は維新と並んでしまった。
もはや二極ですらない。
民主は参院選で負けるにしても、せめてまともに戦えるのか。
勝負を成り立たせることはできるのか。

鳩山政権は迷走と暴走により、わずか8ヶ月間で命を落としたが、安部政権が来年夏までの短命に終わるかと言えば、大腸炎悪化ぐらいしか可能性は無い。

参院選マインドが働くとはいえ、受け皿に維新・みんな党・共産・小沢党が林立する現状、
今回の衆院選で顕著化した民主アレルギーは悪化こそすれど自然治癒することはとてもではないが望み薄。

「自民大勝は自民が支持されたわけではない。民主不支持の結果だ」と盛んにアナウンスされているが、
それは民主が負けた理由であって、他にも政党がある中で自民が大勝した説明にはならない。
あくまで、チャレンジとお灸に懲りた有権者が、過去の実績込みで3年間下野した自民が他党よりもマシに見えたことが大勝の第一の理由だ。

では民主党が夏までの半年間でマシに見えるようになるのか。

先にも挙げたように、選挙前後での幹部の発言を聞く限りでは、暗い。
あからさまな絵に描いた餅に飛びついた国民がドアホなのだが、それでも詐欺は詐欺。
であるのに、この細野の逆切れ。木っ端議員ではなくて政調会長でもこの体たらく。

つまり、自民が第一極であり、民主を含む団子な第三極が第二極への抜け駆けを伺う様子が展開される。
夏の参院選で、民主が手放す議席の席取り合戦を繰り広げるわけだ。

各党とも独自食を打ち出したい中、第三極党同士の連携は期待薄だろう。
嫌民主派を取り込む事を基本戦略とした上で、自民民主以外の党が取る戦略には、与党戦略と野党戦略がある。
1.与党戦略:宗教色の無いポスト公明党を目指し、消極的自民支持派を支持基盤とする。
  →自民との連立を図り、自民支持だけれどストッパーが必要だよ派を取り込む。
2.野党戦略:野党第一党を目指し、そこから与党を目指す王道。
  →積極的自民不支持派の取り込み。民主の来た道。

公明党の宗教色を薄めたい上に、一人勝ち独裁呼ばわりされる事を忌避している自民に対して、与党戦略は取りやすい。
また、与党として実績を作れば、素人集団民主党に政権を与えてしまった事に懲りた国民層を取り込める目もでる。

しかしながら、与党戦略は埋没する可能性がある。確固たる支持基盤がある公明党ならではの戦略でもある。
みんなの党はこの点をえらく気にしている。
差別化の舵取りは、腕に覚えが無い限り難しいだろう。
この点、小沢が上手いのだが、過去の軋轢から自民が小沢と手を組む可能性はゼロだ。

また、与党戦略では今後十年間で与党第一党になれる可能性は低い。
今後十年以内に首相を出すには野党戦略以外を取るより他は無い。

が、野党戦略を取るにあたり、絶対に避けなければならないのは、第二の民主党呼ばわりされること。
そしてメディアへの露出が減り忘却されること。
みんなの党が伸びないのも、舛添・新党改革が行方不明なのもこのドツボにはまったため。
この点で野党戦略はリスクが高い。

みんな党は野党戦略で来たので、この期に及んで与党戦略は取りづらい。
その上、自民から見ると扱いづらい割りに議席数が少ない。
野党戦略をとるだろう。

小沢党は先に書いたように、野党戦略しかない。
共産党も同様。


維新には参院議席が無いが、衆院議席の実績を元に、与党に対して信用売りができる。
石原親子のパイプがある。石原伸晃へのポスト割り当てで安部政権の対維新戦略が判断できる。

橋下と石原が喧々諤々やれば埋没することも無いし、橋下と石原のキャラ的にも与党のブレーキ役を演じやすい。
与党でいながらも、なんでも反対党のサンクチュアリである参院選を戦える。
都政国政において石原の長い与党経験も生きる。その点は自民にとっても話がしやすい要素である。

だが、与党になった民主が分裂したように、維新も与党になれば寄り合いを誤魔化しきれない面が顕著化するだろう。
アクが強い性格が揃っているので、内輪もめが腹芸なのかマジなのか、当人たちにも分からなくなる可能性がある。

とはいえ、実績が無いのに政権を担当してもまともに政権運営できない事を目の当たりにした以上、民主党以上に政権担当能力の無い維新は与党戦略しかとれないだろうし、そのための石原代表だろう。
肝は、連立を目指すのか閣外協力に終始するのか、関係の匙加減である。

民主は他の三極が旗色を鮮明にしたところで、与党戦略派と野党戦略派に分裂するだろう。
その際に政界再編が起きる。
舛添のようにその瞬間を伺っている輩も多い。

その他党はそもそも人材・人気・議席の資源が無いので、その日をしのぐのに精一杯だ。取れる戦略が無い。
強いてあげるなら舛添の個人的な大臣実績と実務能力だが、政局と左右する力も調整力も無い。


別に橋下と石原をそこまで高く評価しているわけではない。
しかし、彼らはこの衆院選挙で、受け皿足ることを獲得議席数で証明してみせた。
他にキーパーソン足り得る派閥・人材がいないのだ。


日本の先行きは、今後半年間、橋下と石原が同じ夢を見ることができるか、自民と密結合するのか疎結合するのかが鍵となる。
その結果、政界再編の行く末が玉突きに決まる。


posted by 塗りかべ at 19:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治